東洋医学の人体観・1~4

東洋医学

東洋医学の人体観.1 ・・・FBページ連載から
西洋医学では身体の各器官が独立したものと考えるが、東洋医学では身体の気官や組織は互いに関わり合い繋がっていると見做し、人の体も自然の中の一つであり自然界の万物と関わりをもって生きていると考える。

人体には3つの系がある。まず気の類・・元気(原気)、営気(栄気)、宗気に分類される。
次に形の類・・肝、心、脾、肺、腎の五臓を中心に、五主、五華、五根など自然界のあらゆる事象と繋がりを持つ。五主(肝は筋・心は血脈・脾は肌肉・肺は皮毛・腎は骨を主る)、五華(肝は爪・心は面色・脾は唇・肺は毛・腎は髪を主る)、五根(肝は目・心は舌・脾は口・肺は鼻・腎は耳主る)、五味は(肝は酸・心は苦・脾は甘・肺は辛・腎は鹹を主る)・・等

三番目は経絡の類・・身体の様々な部位を繋ぎ、信号の伝達路としての役割を担っている。経絡の上にツボがあり、このツボを刺激することで経絡を通じて身体を調整する。この経絡の流れと経筋の相関を把握しておくことで身体に起る様々な痛みやしびれ等を治療することができる。
経絡は経脈と絡脈2つの流れに分類される。身体を縦方向に流れる太い流れが経脈で、経脈から枝分かれしていく細い流れが絡脈。その経絡上の体表部にあり、気が出胃利する所が経穴(ツボ)である。経絡はそれぞれ五臓に連絡しており、例えば肝に問題があれば肝に繋がる経絡、つまり肝経を調整する。その調整は肝経上の経穴を刺激して行う。

気の分類(東洋医学の人体観.2)
気は元気、営気、衛気、宗気に分類され、それら気の元になっているのが精である。親からもらい次世代へ継承していくものが先天の精で、離乳期以降に自分で食物を摂取して消化吸収して作っていく精が後天の精。先天の精は腎に蓄えられており、後天の精は脾や胃でつくられる。先天の精とかかわる腎は耳や骨、髪の毛等に影響を与える。精は気となって消費されるので、食物で後天の精を補充していかないと、やがて気を生み出せなくなり、病気の原因になる。

元気は臍下丹田に集まる。元気は精と関連し、腎(腎経)とさらに後天の精を作る脾胃の働きも重要なポイントになる。

営気は水穀の精微から化成し、夜になると対内に入り、体表は無防備になる。営気は血液と共に脈中を流れ全身を巡って身体を栄養する。血行障害がある場合は気の流れがよくなるように経絡・経穴を刺激すればよい。

衛気は水穀の精微から化成し、脈外を流れ、体表に分布して身体にバリアを張り、外邪の進入を防ぐ。皮膚は五臓の中で肺に関係しているので皮膚刺激は肺への効果もある。

宗気は呼吸で得られる清気と、水穀物の精微によって生成される。宗気は心臓や肺の機能を支え、呼吸・拍動等の身体機能と関連し、動気とも呼ばれる。人が生きていく基本的な活動は心臓の鼓動と呼吸である。宗気は清気と後天の精から形成され、胸に蓄えられていく。

気の作用(東洋医学の人体観.3)
気が臓腑や経絡の活動血液循環など、生きるために必要な機能を推し進めることを推動作用という。気にはその他、温煦作用、防護作用、古摂作用、気化作用という5つの作用がある。

温煦作用・・気には温める力があり、気が不足すると冷え性が起こる。冷えは万病の元というような書物も出版されるようなになったが衣食住の環境を整え、体質を変えることも冷え対策になる。

防護作用・・気には前回、衛気の作用で説明したように、身体を外邪から守り、病気になりにくい身体をつくる作用がある。乾布摩擦等も衛気を助長する働きがある。

古摂作用・・気には体液が漏出するのを防ぐ働きがある。多汗症は古摂作用の低下に由来する。汗は五臓の関係でみると心に関わっているので心が弱っていると考えられる。涙は肝に、精液は腎にかかわっているから、それぞれ肝経、腎経を調整して古摂作用を上げることが必要だ。その他、失禁や鼻水など体液もれの治療方針は同じ考え方が成り立つ。

気化作用・・気・血・津液・精などの整理物質を産生したり代謝する働きを気化作用という。精が気になったり、血に変化したり、津液が汗や尿として対外に出るなど、気・血・津液・精が相互変化する働きである。

気と血・津液・5神の関係(東洋医学の人体観.4)
血は水穀の精微から化成される脈管中の赤い液体で、営気とともに流れ、四肢や臓腑、諸機関を潤養しその働きを支える。気は血を生成(気化)し、流し(推動)、漏らさない(古摂)。血の素材として津液がある。津液は体内にある正常な水分の総称で、血のほか汗や涙なども津液で出来ている。心は血を主るが、肝や脾も血と係りの深い臓器である。肝は血を貯蔵し、脾は血を生成し、統血機能を持つ。
①気と血の関係・・気には血を生成(生血)、行血(全身に巡らせる)、統血(体外に漏らさない)という働きがある。
②気と津液の関係・・津液も血と同じく気が決定している。循環は気の推動作用、生成は気化作用、外に漏れない様にするのは固摂作用である。津液は「津」と「液」に分類される。「津」は澄んでサラサラとしたもので、「液」は粘り気のあるもの。津液は関節や表皮を還流し滋養するが、体外に放出される時は涙・汗・涎・鼻汁・唾等になる。

東洋医学には魂・神・意・魄・志の5神があり、それぞれ肝・心・脾・肺・腎に対応している。魂と魄は無意識的め本能的な活動を支配しており、人格と深くかかわる。普段は神がしっかり統率しているが、神の支配から解き放たれるとき(泥酔状態や高熱時)、魂や魄が出てくる。神は拍動や呼吸を調整し、知的活動や精神活動にも深く関わっている。感情の変化は気の変調を生じさせる。強い精神的刺激は身体的な病の元になる。例えば逆上すると血圧が上がり、血管が破れるなどの病気を引き起こす。「怒れば気上がり、喜べば気緩み、悲しめば気消える。恐れれば気下がり、思えば気結ばれる」こうした感情の変調が行き過ぎれば、病に通じていく。意は単純な記憶や思考と関係する。記憶力や思考は意の問題であり、意は五臓では脾とかかわるのでこれを治療しなければ解決しない。志は目的を持ったり、思いを持続させる心で五臓では腎と関係する。

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