気功学の理論と発展

正月2日は「書初め」の日、趣味の仕事初めに今月の通信を作成。

「気功の集い」初日は10日えびす。西宮神社は福の「神えびす様」をおまつりする全国の総本社で、当院付近も福笹を以って散策する人もチラホラ。阪神電車西宮駅北側は拡張工事で装いも新たになり、にぎやかな雰囲気に変わっている。今年はメニューの中に、翻訳した資料の紹介も取り入れていく予定だ。気功の基本を更に易しく翻訳し、解説しながら、市民の皆様と共に健康づくりの道を・・と思いつつ、まず「養生築基功」から。

気功の「功」は積み重ねるという意味がある。一人での修行は挫折しやすい。一緒に練功してくれる仲間がいることはありがたく、嬉しいことだ。

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人間が生きるためには、ある程度の緊張と労働が必要であり、労働への情熱や緊張感を失えば、生命の火も消えてしまう。しかし,過度の労働や緊張は、人間の健康を深刻なまでに害することもある。2500年以上も昔に、道家思想の創始者である老子は、「静を以て生を養う」という理論を打ち出したが、漢代の名医”華佗”は「動を以て生を養う」という観点を打ち出した。フランスの学者フォルタイにも「生命は運動にあり」という名言がある。
どれもそれなりの根拠があるが完全とは言えない。正しくは「動に過ぎれば損い、静に過ぎれば廃る。」というべきであり、動と静のバランスがとれて初めて、人間の長寿と健康に役立つのである。古今東西、人間の生活経験と無数の事実が、そのことを証明している。それは「中庸」を目指す養生の道であり、処世哲学であり、「中庸を得る者は長寿」なのである。「何事もやり過ぎてもやらなさ過ぎてもいけない」という観点で、心理や行動を自己コントロールすれば、人間と自然、人間と社会環境との間に調和と統一が保たれ、人体の内部環境の調和と統一も保たれる。それは陰陽のバランスを調整する中医学理論でもある。
気功学とは、いかにして人間の心理行動のコントロールを実現させるか、を研究する人体科学であり、心理状態と生理機能の相互作用、すなわち心と体の相互関係を研究するものである。気功の訓練方法にはさまざまな流派や種類があるが、どんなに変化してもおおもとを離れることはない。偏りのない中庸の状態に達する為には心身の緊張とリラックスが必要であり、気功のやり方もすべて、動と静の二つに大別される。いずれも「身体を調え」「呼吸を調え」「心を調える」という三つの基本的な方法の組み合わせが異なるだけであり、人間が随意にコントロールできる活動はこの「三調」の他には存在しない。「三調」を通じて自己をコントロールする方法を学び、悪い習慣を克服して健全な心身を確立し、内臓機能を調節し、生命のメカニズムを改善することができる。・・ 宋教授講義録から画像の説明