頻尿対策には
①体を冷やさないようにすること。
②膀胱の容量を増やす膀胱訓練。
③膀胱や子宮、尿道を支えている骨盤底筋を鍛える方法。
・・・等が推賞されています。
Ⅰ.【骨盤底筋体操】は
尿道を締める力を回復するための訓練法です。
骨盤底筋はおへその下にある恥骨とお尻の下にある尾骨の間にある
ハンモック状にはった筋肉です。
この筋肉は膀胱、膣、子宮、直腸などを支え、
尿道や膣、肛門を占める役割を果たしています。
骨盤底筋をイメージしながら、吐く息に意識を置いて、
リラックスして行いましょう。
①仰向けになり、軽く両ひざを立てる。(椅子に座った姿勢等でもよい。)
②腹部の力を抜いた状態で、肛門を引き締める(排便を我慢する感覚)。
③ゆっくり5秒数えたら、肛門を緩める。
④~③の動作を5分程度繰り返すことを、1日2~3回、毎日行なう。
Ⅱ.【膀胱訓練】は、
尿を我慢して、膀胱にたまる尿の量を少しずつ増やし、
排尿回数を減らす方法です。
①肛門や尿道に力を入れてぐっと尿を我慢する
②排尿以外のことを考えたり、ゆっくり深呼吸することで尿意を紛らわせる
③尿を我慢する時間を5分、10分と計画的に少しずつ延ばしていく
注意点・・尿意は波のように強弱(波)があります。尿意が強い時に行うと尿を漏らしてしまうことがあります。訓練は波が弱い時に行うようにしましょう。自信の無い方は外出時は避け、尿パッドなどをあてて自宅での練習をお勧めします。すぐに効果がなくても3ヶ月位は続けてみましょう。
膀胱訓練をするのに適した人
①頻尿以外には症状は無いが、
・少しでも尿意を感じるとトイレに行かないと気がすまない
・尿が漏れるのが怖いので早めにトイレへ行ってしまう
・何かに熱中していれば大丈夫だが、やることがないとトイレに行きたくなる
①膀胱にためられる尿量が少ない人。
膀胱の容量は、計量カップで尿を採取することでチェックできます。
通常1回の尿量は成人女性で200~300ml、男性では300~400ml程度です。
膀胱訓練をやらない方が良い人
下記のようなケースでは、原因となる病気治療が先です。
①前立腺肥大症のような病気で尿が出づらい場合
②細菌感染によっておこる膀胱炎
③急に尿意が起こり我慢することができない過活動膀胱
④蓄尿時や排尿時に痛みがある間質性膀胱炎
⑤膀胱に石がたまる膀胱結石
⑥前立腺癌・膀胱癌
その他、血尿や排尿時痛などの症状があるとか、
頻尿が徐々に悪化するような場合は、
専門医に一度診ていただくのが良いと思います。
頻尿とは
昼間8回以上、夜間睡眠時に3回以上トイレに行く状態を頻尿と考えられます。
膀胱の容量は300~500ccで、100~200ccたまると尿意を感じるようになります。平均的な尿回数は、昼間は4~6回、夜間は0~2回前後です。尿の量は気温や水分摂取量で変わりますが、一日平均1,000~2,000ccと考えられます。老人になれば、腎臓の尿を濃くする力が低下するので尿の回数は多くなり、夜間に尿に行く回数が増えてきます。高齢者の場合、夜間に1~2回小便に起きるのは異常とは言えません。
頻尿の原因は
膀胱や前立腺など泌尿器系臓器の異常で起こるものと、それ以外の頻尿に区別できます。その区別は自覚症状がによって判断できることがあります。たとえば膀胱炎や前立腺炎では排尿時の痛みや不快感、残尿感を伴うようになります。膀胱炎や尿道炎では尿の検査で赤血球や白血球、細菌などが認められます。中・高年の男性で尿が出るまでに時間がかかったり、尿が出てもチョロチョロとしか出てこない時には前立腺肥大症が考えられます。
膀胱内の腫瘍などにより膀胱容量が減少した場合とか、子宮筋腫や卵巣腫瘍など膀胱周囲の臓器の異常により膀胱が圧迫された場合も頻尿の原因になります。
神経性頻尿の症状
誰でも緊張すると尿意が起こってきます。神経性頻尿は精神的ストレスや緊張のために何度もトイレに行きたくなった経験や、電車や車、学校などでトイレをがまんした経験をきかっけに、尿意に対する恐怖心が植え付けられてしまった結果、起こることが多いようです。気にするとよけいに尿意を生じるという悪循環に陥ってしまい、日常生活にも支障を来すようになります。
神経性頻尿では尿意以外の自覚症状はなく、尿の性状もきれいでにごりは認められません。夜間睡眠時や何か他のことに集中している時には尿意は消えています。
過活動膀胱の症状
過活動性膀胱はたまった尿の量とは無関係に、尿意を引き起こす筋肉が収縮し、突然トイレに行きたくなり、一刻もがまんできない状態になります。または、一日に十回以上もトイレに行ったり、一晩に何回も目覚めることがあります。少量の尿が膀胱に溜まった状態でも強い 尿意があるため、頻繁に排尿するという状態になるのです。緊張状態のとき、「トイレが近くなる」という経験をされたことがあるでしょう。このことは、自律神経の働きと関係があります。そして自律神経は、ストレスや生活習慣に影響を受けます。このことが、過活動膀胱による頻尿の大きな原因のひとつです。その他、脳に関係する障害(パーキンソン病など)が自律神経に影響を与えるケースもあります。40歳以上の男女の8人に1人が過活動膀胱の症状をもっていると伝えられています。高齢になるほど患者の数は増える傾向にあり、最近の調査では40歳以上の12%、約800万人に何らかの症状があると推定されています。高齢になるほど患者は多く(80歳代では40%近く)、女性より男性に多い傾向があります。
補足:尿失禁予防には骨盤底筋訓練を!
尿失禁患者は約400万人、50年後には1000万人に増加すると推定(1993年の調査)。
つらい症状を克服し、快適に過ごせますように
はり灸施術は心身のバランスを整え、血液やリンパの循環を良くし体質改善を図り、疾病を治療します。鍼灸(東洋医学)は現代西洋医学のように内科、外科、皮膚科、神経科、耳鼻咽喉科、眼科、泌尿器科、小児科、婦人科・・等、臓器局所毎に細分しません。人体を小宇宙・全てが繋がりあった関係にあると捉えます。鍼灸師は東西医学を学んだ国家資格者として、医療の一翼を担っています。医師や施術師はあなたの健康づくりを援助することが使命ですが、学卒後の研鑽次第で技量には雲泥の差が生じます。あなたが信頼出来る治療家に巡り合える事をお祈りしています。(頻尿対策は介護予防運動指導員としてもお伝えしています。)
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